9.11.07

クリとクリタマバチ

 シバグリやニホングリは、北海道南部から九州全土に分布しており、多くの品種が知られていました。ところが、クリの害虫であるクリタマバチにより「銀寄」など一部を除き在来品種の大部分が枯死し、淘汰されてしまいました。

 クリタマバチは、クリの新芽に卵を産み、虫こぶを作ります。虫こぶができた新芽は伸長できなくなり、花も咲かず枯死します。昭和16年岡山県でクリタマバチの発生が初めて認められ、その後全国のクリ園に広がりました。

 そのため、農研機構果樹研究所によりクリタマバチ抵抗性品種の育種が行われ、「筑波」、「石鎚」などの品種が育成されました。現在、農研機構果樹研究所には約150品種・系統が保存されています。


果物&健康NEWS Vol.173