29.8.08

混濁果汁と透明果汁

混濁果汁とは、果汁中のペクチンなどの食物繊維などがコロイド状をなして混濁している状態の果汁です。食物繊維を多く含むだけでなく、果実らしい香りを保持しているのが特徴です。これに対して、透明(清澄)果汁は、果汁中のペクチンをペクチン分解酵素(ペクチナーゼ)等で分解して遠心分離などによって食物繊維などを除去し透明化したものです。オリが少ないので長期保存が出来ます。

混濁果汁では、濁度と色調が重要な品質要素です。色調を保持するため、搾汁の際にL-アスコルビン酸(ビタミンC)を添加します。リンゴでは、破砕するとポリフェノールがポリフェノールオキシダーゼの作用により空気中の酸素と結合して褐変するので、これを防止するため、L-アスコルビン酸が添加されます。また、製品の濁度と食物繊維などパルプ量を一定の数値内に収めるため、使用する破砕機の選択も重要なポイントです。粒子の大きいパルプを除くには遠心分離器などで行います。


果物&健康N8WS Vol.212